学校の教職員の方々と話す機会がありました。
「学校あるある」として、トイレがとても汚いという話がありました。
なんとある中学校のトイレではネズミが死んでいて、そのあと教職員がにおいの除去も含めて懸命に掃除をしたとのこと。これを聞いていた他の教職員の方々も口々に「うちの学校もそう」「うちもそう」と。そして生徒からは「なんで市役所や大人のところはいつもトイレはきれいなのに、子どものトイレはネズミが死ぬの?大人のトイレがこれだけ汚かったらすぐに新しくするよね。」などと話しているとのことでした。
また学校の備品やなんと掃除機なども教職員の先生の自己負担で購入している現状もたくさんあります。掃除機に限らず、壊れたものや不足したものなどは教職員が自己負担で購入していかないと間に合っていかない現状です。民間企業では一般的にはあまり考えられないことです。
学校現場はなかなか外からはわかりません。
人手不足もそうです。各学校の産休病休の後の先生を教育委員会が探すのが本来でしょうが、結局は校長先生の個人的なつながりや管理職の先生がひたすら電話したり現場の先生方が手分けして探しているケースもあります。さらに人材不足なので、初任の先生がいきなり担任を任されて負担を感じて苦しんだり、管理職の先生も担任を持たざるをえなかったり。ギリギリで運営しているとも聞きます。部活動も教職員の本来業務ではない中で当たり前のように顧問をしなければならなかったり大変です。もちろん大変と思わない方ややりがいを持っている先生もいらっしゃいますが、全員がそういうわけではないでしょう。
各学校は、実は校長先生の裁量で様々な学校独自の自由な取り組みも可能ですが、チャレンジすることに対する周囲の許容や応援がないと孤軍奮闘ではなかなかチャレンジしにくいものです。
つまりみんなで学校を応援しようという力が働かないと学校も立ち行かなくなる最悪の可能性もあります。なんでも学校はやってくれて当たり前ではなく、実状を知り、許容や応援をしていくことはとても大切です。PTAはそんな役割も持っています。公立小中学校環境を守るのは行政が主ですが、関わる様々な方々の許容や協力も必要です。
学校を守ることは、子どもたちを守ることにも繋がります。
PTAとして何が出来るか?
学校の現状をしっかりと知り、協力しながら皆で守るということが大切な時期に来ています。
安藤 大作(三重県PTA連合会 元会長)
[執筆者・安藤大作氏プロフィール]
平成23・24・25年度三重県PTA連合会 会長
平成25年度 (公社)日本PTA全国協議会 副会長
平成25年度 日本PTA全国研究大会 実行委員長
(公社)全国学習塾協会 会長
日本民間教育協議会 会長
(公財)日本数学検定協会 評議員
経済産業省 未来の教室とEdTech研究会 元委員
文部科学省 不登校に関する調査協力者委員会 元委員
総務省 令和4年度「学外教育データ連携に係る実証事業」有識者検討会 有識者
三重県学力向上推進委員
株式会社安藤塾 代表取締役
社会福祉法人むげんのかのうせい 理事長
FM三重にて「安藤大作エデュケーションラジオ」毎週放送中