今、いろいろなところで手と手を取り合う大切さが問われているように思います。
地域性がますます大切になってきているように思います。
全体のために自分からも何か出来ることを動いていくことの大切さです。
その反対に、自分は動かずとも「してもらってあたりまえ」の意識だと、してもらえないときには不満が出ます。せめて自分は損はしたくない、楽して「あたりまえ」を受取りたいという気持ちです。
しかし今、いろいろなところで手と手を取り合う大切さが問われてきているように思うと前述しました。学校現場は教員が不足しています。教員採用試験倍率も驚くほど低下しています。また教員の精神疾患も過去最多で教員の離職率も非常に高い状態です。さらに変化の速い時代に適した教育を、多様で様々な子どもたち一人ひとりに実践していこうとなると学校のキャパシティはオーバー気味ではないかとも言えます。さらには日本語がうまく使いこなせない外国籍の子どもたちも増えています。学校現場は地域や民間の協力なしには維持が難しい状況にあるとも言えます。
すでに「してもらえてあたりまえ」と思えていたこともそうではなくなってきたのです。
そのとき地域の大人側は、不平不満を言うだけなのか、手と手を取り合う行動を起こすのかは地域の選択と判断です。手と手を取り合うことにノウハウややり方が存在しているわけではないので「やりかたがわからない」というのはもっともです。しかし手と手を取り合う時は「やりかた」の前に「思い」があればやり方はどうであれ進んでいくものです。
昨今、PTAは「ムダ」「損」という論調をマスコミが紹介したりしています。
しかしPTAは広い意味で「地域協力」です。そもそも地域協力は地域が豊かに安全に生きていくために、行政や役所がやりきれないところを、地域自らが手と手を取りあって自分たちの出来るところを動いてきたわけです。そう考えると「地域協力はムダ、損」ということにはならないように思います。
学校の現状を例に出しましたが、これから地域の人口はすさまじいスピードで減少します。地域が暗くなったり不便になったり安全が保ちにくくなったりするかもしれません。また自然災害も起こるかもしれません。そのときでも「してもらってあたりまえ」「自分が動くのは損、ムダ」でしょうかと言えば、そうではないはずです。
協力団体を構成して、手と手を取り合う。執行部は常に全体の幸せのことを考えて取りまとめていく。そういう地域の力はPTAも含めて非常に大切なのではないでしょうか。
安藤 大作(三重県PTA連合会 元会長)
[執筆者・安藤大作氏プロフィール]
平成23・24・25年度三重県PTA連合会 会長
平成25年度 (公社)日本PTA全国協議会 副会長
平成25年度 日本PTA全国研究大会 実行委員長
(公社)全国学習塾協会 会長
日本民間教育協議会 会長
(公財)日本数学検定協会 評議員
経済産業省 未来の教室とEdTech研究会 元委員
文部科学省 不登校に関する調査協力者委員会 元委員
総務省 令和4年度「学外教育データ連携に係る実証事業」有識者検討会 有識者
三重県学力向上推進委員
株式会社安藤塾 代表取締役
社会福祉法人むげんのかのうせい 理事長
FM三重にて「安藤大作エデュケーションラジオ」毎週放送中