やる気がない、自信がない、元気がない。
そういう子が増えてきていると聞きます。
あるデータによると、不登校原因のトップは「なんとなく」であると言います。
さて、子どものやる気がない、自信がない、元気がない、そんな状況をどのように打破していけば良いのでしょうか。
一つの提案ですが、キーワードは「お手伝い」です。
子ども自身がお手伝いをする、子どもにお手伝いを頼む、ということです。
お手伝いと言っても、「ちょっとそこのごみ捨ててくれる?」とか、「ちょっと○○をとってくれるかな?」とかで構いません。大切なことはそのあと「ありがとう!」と言ってあげることです。「○○ちゃん、ありがとう!」のように名前も呼べたらなお良いでしょう。
「ありがとう」を言われることで、子ども自身の心の中にわずかながらの変化が生まれます。ほっこりするような、少しばかり心の温度が上がります。わずかですがそれを蓄積していくと心の温度はどんどん上がっていきます。自分が役に立てている存在である、自分は重要な存在である、いわゆる自己重要感、自己肯定感が少しずつ上がるわけです。それに伴い、元気が上がりやる気や自信が上がってきたりします。そうすると、もっとやれそうな気がしてきたり、もっと動きたくなってきたりします。
これは勉強面でも言えます。自信を失っていたり、希望を見失っている状態の子どもにこのままではダメだからとむりやり勉強勉強とさせていっても、本人からしたら「自分はダメだから・・」という自己認識が強まるばかりで、自信や希望になかなか繋がりにくい場合もあります。
まずは本人の自信や元気を回復させることからです。やる気が生まれた状態ならトレーニングも吸収していきます。つまり、子ども自身が自分の価値を再認識する、そのためにはお手伝いをしてもらう。そのことで「ありがとう」を言ってあげる。これは家族間だけでなく、地域のお手伝いやボランティアでも構いませんし、ゴミを拾うとかの小さな親切でも構いません。
さて、「お手伝い」がすべての解決法ではありませんが、こういうやり方はとても効果的だと思われます。
5月6月は、なんとなく元気が出ないという子も多くなりがちな時季です。
一つ参考にしてみてはいかがでしょうか。
安藤 大作(三重県PTA連合会 元会長)
[執筆者・安藤大作氏プロフィール]
平成23・24・25年度三重県PTA連合会 会長
平成25年度 (公社)日本PTA全国協議会 副会長
平成25年度 日本PTA全国研究大会 実行委員長
(公社)全国学習塾協会 会長
日本民間教育協議会 会長
(公財)日本数学検定協会 評議員
経済産業省 未来の教室とEdTech研究会 元委員
文部科学省 不登校に関する調査協力者委員会 元委員
総務省 令和4年度「学外教育データ連携に係る実証事業」有識者検討会 有識者
三重県学力向上推進委員
株式会社安藤塾 代表取締役
社会福祉法人むげんのかのうせい 理事長
FM三重にて「安藤大作エデュケーションラジオ」毎週放送中