PTAは箱であると考える。
つまり、箱だから箱に意味があるかどうかというより、その箱に何が入り、どう活用されていくかどうかで意味がうまれる。
今、各地域ではその意味が求められている。
助け合いの文化があるところでは子育てがしやすい、子供の多い離島の方々から時々このような言葉を聞くことがあります。子育てにかかる費用も大切ですが、何かのときの助け合える周りとの信頼に基づくコミュニティがやはり大切であるということでしょう。便利な地域かどうかと言えば、地勢的にも離島は相対的には便利な地域ではないかもしれません。それでも助け合いの文化で、皆の幸せに向けて皆が協力することで地域の子育ての安心を育んでいるのかもしれません。
日本全国津々浦々で現在、子供の人数が減少している、そして先生の人数も不足しているという状況が起きています。学校の運営をギリギリの人数でこなしていて産休育休の代替の教職員の方々も見つからず、教頭先生も担任を持ったり、大学出たばかりの教員も担任を持ったりするケースも頻発しています。現場の教職員の方々の頑張りと努力で日々の学校運営を維持してもらっているということかと思います。その状況を明るくみんなの幸せに変えていくのは、冒頭ご紹介した離島の方々がよく口にする助け合いの文化なのかもしれません。
離島における助け合いの文化とは、自分の子供でなくても地域の子供みんなを地域みんなで見守り育む文化があるとも言えるでしょう。話し合って声を掛け合ってみんなで良くしていこうという文化です。PTAは地域の子供を地域で育む文化のプラットフォームになり得ます。決して一部の役員さんだけのものでもなく、役員さんの声掛けでみんなで話し合いより良くしていくプラットフォームになり得ます。みんなと言っても最初は少人数から少しずつ輪が大きくなっていけばいいのではないでしょうか?会話と笑顔があることが大切で、地域の子を地域で育むという目的さえしっかりしていればよろしいのではないかなと思います。役員は仕事が増えるとかやることが多いという見え方もあると思います。それでも最初は目的を共にする少人数でも笑顔で楽しんで活動していくことで輪が大きくなっていき、和になっていくのかもしれません。そして目的がしっかり意識出来ていることで少しずつでも進んでいけるのではないでしょうか?
地域の学校運営はいかがでしょうか?地域の子供たちはいかがでしょうか?
あくまで自然に明るく楽しく輪と和を意識して活動していくことを心がけて、PTAを意味のあるものにしていくということで、学校も子供たちも明るく楽しく幸せにしていける可能性は広がります。PTAは助け合いの仕組みであって、それを意味のあるものにしていくのが、その地域の人になるのだと思います。
安藤 大作(三重県PTA連合会 元会長)
[執筆者・安藤大作氏プロフィール]
平成23・24・25年度三重県PTA連合会 会長
平成25年度 (公社)日本PTA全国協議会 副会長
平成25年度 日本PTA全国研究大会 実行委員長
(公社)全国学習塾協会 会長
日本民間教育協議会 会長
(公財)日本数学検定協会 評議員
経済産業省 未来の教室とEdTech研究会 元委員
文部科学省 不登校に関する調査協力者委員会 元委員
総務省 令和4年度「学外教育データ連携に係る実証事業」有識者検討会 有識者
三重県学力向上推進委員
株式会社安藤塾 代表取締役
社会福祉法人むげんのかのうせい 理事長
FM三重にて「安藤大作エデュケーションラジオ」毎週放送中