「PTAって何のためにあるの?」
「市P連って何?」
「県P連って何?」という声を聴くことがあります。
それぞれの組織だから出来る役割について記載しました。
PTAにはまず各園、各小中学校PTAがあります。単位PTA(単P)と呼ばれている組織です。各学校行事など通学児童生徒の安全や学校活動に関わりながら、より良い学校運営に関わることをその主旨としています。
次に郡市レベルのPTA連合またはPTA協議会があります。これは各郡市に所属する各単位PTAの会長たちが集まって組織されています。この組織の役割は主に二つあるでしょう。一つは他の小中学校PTAの取組を知ることで自校のPTA活動の参考にすること。もう一つは小中学校の設置主体である郡市への要望を取りまとめ、場合によっては要望をしていくことです。最近では児童生徒へのタブレットの配布やエアコンの整備やインターネット環境の整備などの施設整備、また水泳指導や部活の業務委託や、学習指導の民間委託など予算化が必要なものなどです。
そして県PTA連合。これは各郡市PTA連合(協議会)の会長たちが集まって組織されます。この組織の役割も大きくは二つあると言えます。一つは他の郡市との情報交換によって自分の郡市と他の郡市との教育環境の違いを知ることです。各郡市(自治体)によって、たとえばタブレット配布やその研究授業がかなり進んでいるかどうか、夏場の空調環境、学習指導の民間委託によるフォローや部活動の業務委託、教科書や給食、などなど取り組みはそれぞれ大きく違う場合があります。もちろん公立小中学校の設置主体である各郡市行政の考え方やそれに伴う予算化の違いなどが原因なのですが、自分の郡市が他の郡市と比べてどうなのかという情報はなかなか保護者にはわかりにくいものです。そこで県PTA連合の会合で情報交換していくことにより、あらためてその違いを知る機会となり、それを各郡市PTA連合会長は地元の郡市PTA連合(協議会)に持ち帰って必要に応じて協議し、場合によっては前述したように各郡市の行政への要望に繋げていくということです。
県PTA連合のもう一つの役割は県の教育行政への要望に向けた議論です。たとえば公立高校入学者数の定員や高校の統廃合、あるいはスポーツ推薦など前期選抜の在り方など入試全般に関わることなどは、県PTA連合などで議論して、場合によっては郡市PTA連合(協議会)と協力しながら三重県教育委員会に質問や要望をしていくことになります。
さてここまであくまでも大きな括りとしてのそれぞれの組織の役割や可能性を述べましたが、それ以外にもそれぞれの組織で研修会の開催などの保護者の学びの機会などもあります。子どもたちのために、PTA活動をより有意義なカタチに繋げていっていただければと思います。
安藤 大作(三重県PTA連合会 元会長)
[執筆者・安藤大作氏プロフィール]
平成23・24・25年度三重県PTA連合会 会長
平成25年度 (公社)日本PTA全国協議会 副会長
平成25年度 日本PTA全国研究大会 実行委員長
(公社)全国学習塾協会 会長
日本民間教育協議会 会長
(公財)日本数学検定協会 評議員
経済産業省 未来の教室とEdTech研究会 元委員
文部科学省 不登校に関する調査協力者委員会 元委員
総務省 令和4年度「学外教育データ連携に係る実証事業」有識者検討会 有識者
三重県学力向上推進委員
株式会社安藤塾 代表取締役
社会福祉法人むげんのかのうせい 理事長
FM三重にて「安藤大作エデュケーションラジオ」毎週放送中