三重県PTA連合会
会長 木原 剛弘
三重県PTA連合会は、今年で設立74年目を迎えます。
74年前の設立に係わった先人たちは、どのような想いでこの組織を立ち上げたのでしょうか。
設立の4年前、昭和22年3月に当時の文部省が作成した「父母と先生の会~教育民主化のために~」と題された文章では、「子ども達が正しく健やかに育って行くには、家庭と学校と社会とが、その教育の責任をわけあい、力を合わせて子ども達の幸福のために努力していくことが大切である」と、PTAの趣旨が記されています。この言葉は今日においても通じる、色褪せることのない想いではないでしょうか。
私たちは子どもの幸福を願う組織です。子どもたちの未来を考え、行動をする組織です。
我が国が目指す未来社会は、ソサエティ5.0と言われる、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させ、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会です。この未来社会を生き抜く子どもたちに求められるチカラはなんでしょうか。令和3年1月の中央教育審議会の答申で示された「令和の日本型学校教育」では、ソサエティ5.0時代の到来など、社会のあり方そのものが劇的に変化する社会を子どもたちが幸福に生きていくためには「個別最適な学び」と「協働的な学び」が一体的に充実し、主体的・対話的で深い学びの実現が大切であるとしています。3年に及びコロナ禍のなかで、一人一台のICT端末によるGIGAスクール構想は前倒しで進められましたが、急速なICT化により学校が、短期間で環境整備と授業での活用の検討・実践に多くの時間とエネルギーを費やしている状況です。教職員の働き方改革、学校部活動の地域移行など、先送りの出来ない課題に対して、理解を深めるべく情報を発信するとともに、子どもたち幸福を願う組織として、関係各所に意見をしていくことも大きな役割のひとつであると考えています。
昨年6月に閣議決定された第四次教育振興基本計画では「日本社会に根ざしたウェルビーイングの向上」が掲げられました。急激に社会が変化しているなかで、学教教育のあり方を含め子どもたちを取り巻く環境も大きく変化をしています。私たちは、この急激な変化のなかで、子どもたちの未来を考え、子どもたちの幸福を求め、行動しなければなりません。
令和の日本型学校教育が、明治以降の日本における学校教育の本質的に大切な部分は継承しながら、社会の変化に対応し、新たな方法を取り入れていこうとするのと同じように、私たちも設立以来、受け継がれている「子どもたちのために」という想いをしっかりと継承しながら、社会の変化に対応し、未来を見据え進化を続けて行くことが必要です。
本年度も県内各郡市との“つながり”を大切に、より一層の情報共有を図ることで、多様な問題解決の一助となる活動をおこなってまいります。
「子どもたちの輝く未来のために!」
引き続き、より一層のご理解、ご協力を切にお願い申し上げます。